先日、うの動物病院の看板猫であるミーちゃんが、
天国へ旅立ちました。12年の生涯でした。
今から思うと、病魔との闘いはいつの時期からかはっきりしません。
ただ、昨年の12月4日に、最近、呼吸がやや早く食欲があまりない
ということで、スタッフのみんなが心配し、血液生化学検査と
レントゲン検査を行いました。
院長である私は、その時点でそんなに心配はしていませんでした。
というのも、1年前にも同じような症状があり、
実際、特に問題なかった経緯もあったからです。
血液検査では、白血球数も正常で貧血もなく、
生化学検査でも特に異常はみられませんでした。
レントゲン検査では、胸部において肺が全体に白っぽく、
陰影度が低下していました。
しかし、約1年前の皮膚肥満細胞腫の摘出手術を
行った際に調べた胸部レントゲン写真とあまり変わらず、
間質性肺炎と仮診断し、抗生剤主体の治療を開始しました。
しかし、今から思うとおかしな点がこの時にあったのです。
治療をしてもあまり症状に変化がありません!
というか呼吸がさらに荒くなっていきます。
そして、もう一度休み明けの1月4日に再検査。
年末年始が重なり再検査が遅れてしまいました。
そしてレントゲン再検査。結果は最悪。
肺は真っ白。胸水貯留。すぐに胸腔穿刺にて細胞診検査。
診断結果は、なんと上皮系悪性腫瘍細胞による癌性胸膜炎。
いわゆる末期の肺癌です。
転移性肺癌か原発性肺癌かはこの時点でわかりません。
しかし、最後の治療が必要です。すぐに酸素室に入れ、
抗生剤、利尿剤、強力な鎮痛剤とあらゆる手をほどこし
延命に力を入れました。しかし、病気の進行は治療すれば
するほど早くなりそうで、手のほどこしようがありませんでした。
そして、1月9日午後9時42分、呼吸不全にて心肺停止。永眠。
覚悟は決めていたのですが、スタッフに連絡。全員が最後を
看取りました。翌日ペット葬儀社の協力のもと、葬儀を行いお別れしました。
葬儀をする前に死因をはっきりするために、すなわち病気の正体を
はっきりするために病性鑑定を行いました。
結果は、肺の全域にわたるびまん性結節の形成および胸膜との癒着。
血様胸水の貯留。腹腔腔内は著変なし。という所見でした。そして、
その病理組織検査結果は、「 肺 癌 」
特に、肺門部リンパ節転移、リンパ管および静脈侵襲のみられる
低分化型腺癌(極めて悪性度の高い癌)でした。
そして、特殊染色検査により癌細胞の粘液産生が
みられることにより肺原発の腺癌と診断されました。
ミーちゃんは2009年6月に乳癌の摘出手術を行い右側の乳腺が全くありません。
猫の乳癌は悪性度が高く、再発率や転移率が高いのですが、
ミーちゃんは3年半、再発がなく完治したものと思っていました。
しかし、最後は乳癌の肺転移ではなかったものの、
転移性肺癌に酷似する極めてめずらしい原発性肺癌でした。
遺伝的に癌発生の強い体質だったのでしょうか。
そして、うの動物病院からひとつの命が消えて行きました。
合掌。








